インプラントの構造について
通常インプラントは上部構造体と下部構造体に分けられます。
下部構造体は,骨に埋め込まれる部分をフィックスチャー(インプラント体)のことを示します。上部構造体は歯となる部分を示します。その間にはアバットメントと呼ばれる中間結合構造体(上部構造に含まれる)が介在します。 スクリュー固定式の場合アクセスホールと呼ばれるネジ穴があるのが特徴です。 最大の利点は,上部構造の取り外しが可能のためクリーニングや修理などが容易にできます。当医院のインプラントシステムはスクリュー固定式を採用しております。
セメント固定式はアバットメント(中間結合構造体)に人工歯を直接セメントで固定するタイプです。人工歯の中心にネジ穴(アクセスホール)が無いため,通常の差し歯と同じ状態となり見た目は非常に美しいです。
注意)ご使用により,スクリュー固定式ではネジの緩みにより上部構造の揺れを自覚する場合がります。セメント固定もアバットメントはネジで固定されていますので緩みが出現することもあります。『緩んだネジは締め直せば再度固定されますが,上部構造体とアバットメントがセメントでシッカリ固定されている場合には修理が困難となる場合があります』。
天然歯とインプラントに違いについて
天然歯とインプラントの最大の違いは,噛み締めた時のクッションとしての役割とその感覚を脳に伝える働きをする『歯根膜』と呼ばれる生体組織がインプラント体には存在しないことです。
インプラントは骨と結合するため歯根膜は必要ないのですが,通常,歯根膜は毛細血管が豊富で歯や周囲の骨に栄養を供給することにより健康的で張りのある歯グキの状態を維持します。さらに,歯周病菌に対する免疫機構としての役割を持つ非常に重要な組織です。そのため,インプラント治療は噛み合わせの微調整やクリーニングが重要であり,毛細血管を収縮させてしまう喫煙が良くないとされる理由の一つです。